神社では、参拝された皆様に、神様のご利益やご加護を身近にお受けいただくよう御守(おまもり)や御神札(おふだ)を授与しております。
どなたでも、一度はお受けになったり、親しい方に頂いたことがあると思いますが、中には間違った持ち方や祀り方をしている方がおられるかもしれませんので、豆知識をご紹介致します。
神棚にまつるような御神札(おふだ)とは違い、御守は小さく身につけるようになっております。
御守には交通安全や安産、学業成就や縁結びなど様々な種類があり、柄もきれいで気軽に持つことが出来ますが、最初は社寺から戴いた護符を紙や布でくるみ大切に持ち歩いたものが起源で、その後、各自が生地で袋を作りそれに入れて持ち歩くようになりました。
御守を持つことで常に神様を意識し、神社にお参りに行けなくてもいつも神様から守られているように感じることが出来ます。またここぞという時に神様の力を頂けたり、さらには御守を受けたられた方の願いも加わり、日々の心がけも変わるとともに、より良い方向に向かうための力を得ることが出来ます。
御守の持ち方に決まりはありませんが、飾りではありませんので、いつも身に付け大切にする心がけが重要で、感謝と祈りの心を忘れないようにしましょう。
御守は一般的には一年を目安に新しくしますが、これは効能のようなものが減ってしまうのではなく、御守は神様を敬う心が大切で、常に新しい神様の力を得られるよう一年に一度は新しくするものとされています。
また御守や御神札は中に神璽という内符が入っておりますので、開けて見たりすると罰が当たるともいわれております。
また神様どおしがけんかをするので複数の神社より受けない方がよいという話をお聞きしますが、日本は八百万の神様といわれるように神様どおしが協力して私たちをお守り頂いておりますのでそのようなことはありませんので、訪れた神社でそれぞれにお受けになられて構いません。
とかくせわしい世の中、御守一つ身に付けることで安心感が全く違いますので、ご自身の為に、或いは家族の為に御守をお受けになられるとよろしいでしょう。
おふだと一くくりに言いますが、大きさや形、紙や木で出来たものなどの他、意味合いも含め様々な種類があります。一般的には神棚に祀る御神札のことで、家であれば家内安全の源、家族の健康や一家の繁栄を祈りお祀りします。
会社であれば商売繁盛や社員みんなの安全を祈るものとしてお祀りします。
神社で御祈祷を受けた時に戴くものや、御守などと同じく授与所で受けられるもの、或いは正月にあたり年毎に神棚に祀るために受けるものなどがあります。
新年に当たって新しくする御神札を、ここ宮城では総称し「お正月様」と呼び、大年神をはじめ新年の歳徳神の御神像を祀り神迎えをすることをお年取りといいます。
またお正月様と一緒に新しくお受けする御神札として、全国津々浦々の家々で必ず神棚の中心に祀る御神札が神社の本宗と仰ぐ伊勢の神宮の「天照皇大神宮」と、次に向かって右側にお祀りする氏神神社の御神札があります。ちなみに、左側には崇敬神社の御神札をお祀りします。
呼び方や祀る御神札など地域や神社によっても様々で、古いしきたりがあったりしますので、転居などで新しい土地に住むことになった時などは近くの古老に聞くことをお勧めします。
また、御神札を新しくする前には神棚をきれいなタオルなどで掃除し、古い御神札はどんと祭や神社の古札箱に納めます。原則は戴いた神社にお返ししますが、事情によりその神社に届けられない場合は近くの神社でも構いません。
その他、通年受けられる御神札は願意も様々で、祀るときは御神札立てがあればよろしいですが、無いときは神棚の後ろの壁に立て掛けるようになります。
どうしても神棚がない場合、家の中で最も明るく清らかなところを選び、かつ目線より高いところに白い紙を敷き、南か東の方を向けて立て掛けて祀ります。
とりあえずとして、いずれは神棚を祀って頂くことが前提ですが、大切にする気持ちがあれば気軽にお受けいただいても構わないと思います。
時代とともに神棚も様式や形の新しいものが出ておりますし、当社では簡易的なものを無料で差し上げております。
よく、粗末にするから祀らないという話を聞きますが、祀らないことが一番粗末にすることで、誰しも神様の御守護を頂いていることを理解し、出来ることから始めて頂ければと思いますし、神棚を祀ることは日本人として当たり前のことなのです。
神棚を通し神様と結ばれている、見守られていると意識して生活することが、心の平安につながり、家内安全の源となるのです。
毎日手を合わせるとともに、榊を常に青々と、米や塩・水を毎日お供えし、月はじめにはお酒や季節のものなどをお供えして、感謝の誠をもってご加護を祈りましょう。