新しく家を建てるなど建物を新築する際には必ず地鎮祭が行われます。
こちらではその地鎮祭の基礎知識とその重要性についてご紹介していきたいと思います。
新築工事の開始に先立って行われる重要な儀式で、神職を迎えお祓いを受けます。
まず建築する場所の中心に、四方に忌竹を刺し注連縄をめぐらした祭場を設け、神籬という神様の依り代を立てます。神事では土地の神様を祀り、神前にお供えをして、無事に工事が行われるよう祈るとともに建物や家の繁栄を祈る祝詞が奏上されます。お祓いにて土地を浄めた後、工事を依頼した施主や工事関係者が鍬や鋤を入れ、続いて玉串を奉り神様のご加護を願うのが一般的な地鎮祭の流れです。
本来はそれぞれの土地の氏神様を祀っている神社が地鎮祭を執り行っていましたが、現在では諸事情によって身近な神社に依頼することが多くなっているようです。仙台市にある坪沼八幡神社も地鎮祭のご依頼を承り、本義に則った正式な安全祈願を行っております。
新築しようとする土地が昔何であったか、どんな因縁の土地であるかはなかなか分からないものです。そのような土地をお祓いにて浄化することによって、工事中のみならず、その土地に住んでからも、事故や病など災いや不幸に合わないよう願うのが地鎮祭です。
大工さんや職人さんなどの工事関係者にとっては、工事中に事故が起こらず安心して工事を行うための必須の行事であり、施主にとっては工事期間の無事を祈るとともに、これから何十年と住む土地の神様にご挨拶をして、末永くお守りいただくための大切な行事です。
古来より日本人は八百万の神といって万物あらゆるものに神性を感じ、何ごとにも畏敬の念を持って暮らしてまいりました。特に大地は大地主神(おおとこぬしのかみ)が守護しておられて、この神は命を育む尊い神様であるとともに非常に神気が強く、無断で土を動かすなどこれを穢すと大きな障りがあると恐れられてまいりました。
特に一家の主にとって新築とは一生涯の大事業であり、計り知れない負担がかかるもので、家族ともどもより気を引き締めるという大切な機会ともなります。
地鎮祭は、建築儀礼の一つとして数百年以上の歴史がありますが、古から今日まで続いてきたように上棟祭や新宅祭(竣工祭)とともに一家の平穏と幸せをを願うために欠かすことのできない重要な神事です。
厳粛な儀式の一つである地鎮祭。建て主としての心構えとともに、神様に失礼のないようにしっかりとマナーを守り参列しましょう。特に服装にも気をつけるべきです。どんな方に対しても挨拶をするときはやはり好印象を与えたいものです。神様にも良い印象を持ってもらい、家族や施工主を守ってもらうためにも正装(平服)でご参列下さい。
たとえ、暑い時期であってもTシャツに短パン・サンダルというラフなスタイルで参加するのはマナー違反で、神様への不敬となってしまいます。襟のついたシャツの着用、サンダルではなくせめてシューズを履くなど、形をも重んじる日本人としては服装面のマナーも非常に大切なのです。